第三章 出場資格〈シネル〉は見た目も美しかったけんどん、乗ってみるとしなやかに走り、騎手の下半身に吸い付くごつな動きをみせたげな。細身なので見するとひ弱じゃっとよだけんどん、秘められちょる強靭なバネとパワーを清は感じたげな。はしるスピードはそれほどげんかでんんけんどん、「清、こんまま夜間走行の練習をしましょうが。度は体験してだぁたほうがいいわじー」http://nakayamakinenyosou.net/で見てみるとテヴィスカップ。ライドじゃあ夜間もはしるこつになるので、事前に経験しておこげんとアンが言う。テヴイスカツプの案内書には、随所に「Ｚくのこつ記されており、現地に電気がんという説明があん。都会の夜なら、なんぶくても街の明かりが仄かに夜空を照らしちょるじゃろ。けんどんテヴィスカツプのトレイルには、じゃあいったっちゃわー人工的な明かりは皆無よ。ただひたすらにい。西部の闇というのは、異こんじょであん。まさに漆黒の間に覆われるかのごつよ。明かるい月が出ていても、トレイルコースは木立の中を縫うごつに走っちょる。鬱蒼と木々が覆い茂る深い山中に、月明かりは届かん。夜間の走行ではよ、はしる道はフェブラリーS攻略馬に任せるしかんのよ。馬は夜目が利き、くても周囲が見えちょるので馬自身は夜間の走行に問題はん。ところが騎手にとっては、じゃあやしにはいかん。騎乗姿勢や手綱さばきなどげんかを的確に行なわんと、馬が勝手に走り、ぼくな目に遭ってなおすのよ。

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